インタビュートップ
片岡氏
<片岡由守氏プロフィール>
(財)主婦会館、(株)京成ホテルなどを経て、昭和55年から海外のレストラン「アオイ(ドイツ)」「ローザンヌパラス(スイス)」に勤務。昭和60年に帰国し(株)高知新阪急ホテルに入社し、現在に至る。高知県知事表彰、厚生労働大臣表彰など数々の表彰を受け、平成22年には「土佐の匠」にも選ばれている。
土佐の料理人紹介

皿鉢祭に出品して頂いている料理人の方たちを紹介する「土佐の料理人紹介」コーナー、今回は洋食の方にお話しをお聞きしました。ザ クラウンパレス新阪急高知で洋食の調理長を務めている片岡由守さんです。

―――― 片岡さんのご出身は高知県の仁淀川町で、18歳まで過ごされたようですが、洋食の料理人を目指し始めたのはこのころでしょうか?

両親が共働きで中学生のころから妹のためにカレーやピラフなどのご飯を作るようになり、料理って面白いな、やってみようかなと思い始め、地元の高校に進学したころには料理の道に進もうと明確に思っていました。 中でも、海外で成功した日本人の記事を雑誌でよく読んでいたこともあってヨーロッパに強いあこがれを持ち、いつか行ってみたい、洋食を勉強したいと。このまま高知にいたのではそんなチャンスはないと思い卒業と同時に東京へと行きました。

―――― 東京でいくつのかのレストランやホテルで働いた後に、ドイツへと渡っているのですね。

はい、最初に勤めたレストランのチーフ料理長が本当に良い方で、色々な店を見たほうがいいと言ってくれまして勉強に行かせてもらいました。「いつか海外へ」という気持ちが常にありましたから、外国人に受けそうな和食の要素もある鉄板焼きなども勉強しましたよ。そのうち料理長から、ちょうどドイツで料理人を探しているから行ってみないかと。語学などの不安もありましたが、昔からの夢だったので思い切って飛び込みました。

片岡氏

―――― 憧れのヨーロッパ、ドイツだったとは思いますが、単身での渡欧はかなり勇気がいったのではないでしょうか?

そうですね・・・でも若かったですし、やはりずっと夢だったので。それに高校生時代もヒッチハイクで日本縦断したり、知らない場所や知らないことを知りたいという好奇心が昔から強くて。ヨーロッパでも1人で色々な所へ旅をしました。 その頃まだ日本には入ってきていないような野菜やハーブ、ジビエ料理にも出会いましたし、ワインやチョコレート・・・本場のものはどれも驚くほど美味しくて刺激を受けました。本場で実際に見て食べて感じたことが料理人として大変役立っています。

―――― その後スイスでも働き、日本に帰国されたのですね。4年半のヨーロッパでの経験をどのように活かしてきたのでしょうか?

最初は向こうのメニューをそのまま出したりしたこともありました。でも、やはり地域には地域の好みや特性がありますから日本や高知では受け入れられない、ということもあります。それでも、高知の人に本場の味を知ってもらいたいと、少しずつアレンジしたり、地元のものと合わせたりしてレシピの開発も行ってきました。

皿鉢祭風景

―――― なるほど。片岡さんの「土佐の匠」認定も受けた技術で作る創作料理「塩パイの包み焼き」はその様にしてできたのですね。

はい。土佐の和牛に天日塩、ハーブを使用し、ヨーロッパで学んだ技術と経験で作り上げました。色々なイベントで出しますが大変好評をいただいています。高知には魚、野菜、米など本当に素晴らしい食材がたくさんあります。特に土佐和牛は本当に美味しいです。これらをもっと発信して、高知を元気にしていきたいですね。

―――― 片岡さんは全日本司厨士協会四国地方高知県本部の会長も務めていらっしゃいますが、そちらではどのような活動を行っているのでしょうか?

様々な施設での慰問活動や小学校での料理教室を行っています。先日も小学校でハンバーグ作りを教えてきたのですが、こどもたちは好奇心旺盛で、楽しそうに積極的に取り組んでくれた光景が印象的で感動しました。また、国内や海外のコンテストにも参加するなど、後進の育成にも力を入れています。

皿鉢祭風景

―――― 若手の料理人たちにはどの様なことを伝えたいですか?

そうですね、やはりもっと色々なことに興味を持って、実際に見てみて、刺激を受けてほしいです。また、人との縁を大切にしてもらいたい。自分も色々な場所で様々な人に出会い、人との繋がりで夢を叶えたり成長してきたりしました。お客様とのご縁もそうです。料理を通じてお客様に喜びや感動を与えることができる仕事ですが、同時に自分も喜びや感動をいただくことができる。それを感じてもらえるようになるまで、長く続けてほしいですね。

―――― 皿鉢祭には毎年、調理長としてお勤めの「ザ クラウンパレス新阪急高知」や司厨士協会の皆さまでたくさんの洋食料理をご出品いただいています。片岡さんにとって皿鉢祭とは??

毎年テーマに沿って皿盛を出品していますが、若い料理人がたくさん参加し、自由な発想で作品を作っています。試行錯誤する中で様々な経験を積み、とても良い自己研鑽の場になっています。「食の祭典」として、和食・洋食・中華もといった料理の垣根に囚われず、「高知の食」を一丸となってPRできる素晴らしいイベントだと思っています。 今年は当ホテルの和食部門が大作を担当するのですが、洋食部門からも2004年にドイツで開催された料理オリンピックで日本代表として銀メダルをとった川島シェフも参加する予定ですので、どの様な作品になるか、楽しみにしていてください。

―――― ありがとうございました。和食と洋食のコラボ作品はとても楽しみですね。みなさん是非会場に足をお運びください!

◇ザ クラウンパレス新阪急高知ホームページ:http://www.jyoseikan.co.jp/